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卒業式と青春

先日、長男の卒業式があった。

クラス数が少ないのでこじんまりとした、けれども,とても温かい良い式だった。

どこかで誰かが言ってたんだけど、女親ってのはさ、子供を自分で産むでしょ。だからもう絶対自分の子供なわけで、もう何は無くとも無償の愛を子供に注げる。一方、男ってのは「あんたの子供よ」って言われて自分の子供なわけでしょ。「おおっ、そうかそうか」ってな具合に。だから女性のそれとはちょっと違うんだよね。無償の愛ってわけにはいかない。じゃ、子供に対しての愛情が深まるのってどういうプロセスが必要なのか?っていうと、やはりそれは以下に自分の時間を子供に費やしたかってこと。どれだけ子供と関わってきたかってことになると思うんだな。自分はこれだけ子供に時間を費やしてきたっていう自信のようなものと、子育てに関わってきた思い出の引き出しの数が愛情の深さに比例するんだと思うんだよね。
たぶん、僕も学校行事とかに全く参加してなかったら卒業式でこんなにも感動することってなかったと思う。

子供に関わっていくと、それは自然と他の子供たち、自分の子供の同級生達と関わってくることになる。こんなこと言ったら嫁さんに怒られるけど、自分の子供に対する愛情と彼の同級生の子たちに対する(特に自分が関わった子たち)愛情の深さってさして変わらない気がするもの。

一人一人檀上に上がり自分の夢を高らかに宣言し、その後卒業証書をもらう段取りなわけだけど、その一人一人の姿を見る度に彼らとの事が頭の中で思い出されて「あ~、あんなこともあったな。こんなこともあったな。大きくなったな」と感慨深くなってしまった。

んで、前にも書いたけどウチの子供は保育園の0歳の頃からの同級生がいるから、その頃からずっと知ってる子たちがいる。もう自分の子供と変わらない。感動するよ。そりゃ。

彼等のほとんどが私立中学に行ってしまうので、これでホントにバラバラになる。
13年間毎日顔を合わせている幼馴染との別れってのは僕から考えるとそれはもう涙々の寂しい別れだと思うんだが、当の本人たちは悲しい顔どころか笑いながら話してて全然大した事ないみたい。
子供に「お前さびしくないの?」って聞いてみたところ
「う~~ん。まぁ、寂しいかって言われたか寂しいし、中学への不安もないかって言われたらあるけど、そんなことよりも中学への期待の方が大きいから全然泣ける感じじゃない」
とのこと。なかなかクールな返答だ。なるほど。そうか。君たちは前を向いて歩いてるわけか。後ろ向いてんのは親達だけってことだな。実に分かりやすい。

卒業式の後、謝恩会、その後の二次会みたいのがあって、そこで追加のちょっと感動する話を聞いてしまった。この話は同級生の女の子のお母さんが酒の勢いで喋ってしまった話なんだけどね。

「もう私も自分の中だけで抑えきれないから言っちゃうね」

ってな具合で話されたんだけどね。

ウチの子供のクラスにAちゃんっていう美少女がいて、ホントに高嶺の花って感じのカワイイ子なわけだけど。この子は他の女の子よりも物凄い奥手で自分の好きな男の子を自分の友達にもほとんど言わないんだそうだ。んで、この話を喋ってくれてるお母さんってのはこのAちゃんの一番の親友のBちゃんのお母さんなのね。このお母さんはBちゃん(自分の子供)から聞いたんだね。このBちゃんも誰にも言えなくてお母さんだけに話したわけだね。なかなか口の堅い子だ。んで、実はAちゃんはウチの長男の事がそれはもう低学年の頃から好きだったって言うわけだよ。それを普段はおくびにも出さない。もちろんバレンタインのチョコを渡すわけでもないし、頻繁に話しかけてくるわけでもない。ただずっと好きだったと。この事はこの親友のBちゃんだけにはずっと前から打ち明けていて他の人は誰も知らないということなんだよね。そのAちゃんのお母さんも知らない。Bちゃんは我慢して我慢してもう限界が来て、でも誰にも言えなくて自分のお母さんにだけ話したわけだね。んで、そのお母さんもココのココまで誰にも言わずに抱えてきたっていうわけだ。

以下、そのお母さん談

「Aちゃんね。公立中高一貫校受けたでしょ。そう。〇〇君(ウチの子供のこと)と同じ学校。彼女は別に中学受験なんかするつもりなかったのよ。けどね、どうしても〇〇君といっしょの学校に行きたいからって小学校5年生の時に塾に入ったのよ。ウチの子と〇〇君と同じ塾。知ってるでしょ。もうそれだけでイジらしくてね。もう言いたくて言いたくて。それで、試験当日も終わった後に全然自信がなかったみたいで、一緒に受けた女の子たちみんなでお昼ご飯食べたときに一人で泣き出したんだから。たぶんアレだけやってるんだから〇〇君は受かるだろう。私はたぶんダメだろうって思ったんじゃない。それで、結局の所、言いづらいけど〇〇君公立一貫校落ちたでしょ。その時にAちゃん、一緒の区立の中学校に行けると思ったらしいのよ。そしたら〇〇君受かった私立行くって言い出して、また落ち込んじゃったわけ。と思ったら今度、お母さんと一緒に区立小学校の制服の採寸に来たでしょ。ねっ。それでもしかしたら〇〇君は私立じゃなくて区立に来るのかも!?って思ったらしいのよ。んで、フタ開けてみたら結局私立に行くことになったでしょ。もう~~。どうなってんの!!どんだけ落ち込ませんのよ!!って思ってたのよ。私。でも、誰にも言えないでしょ。も~しゃべりたくて、しゃべりたくて」

うわ~~。なんてイジらしいんだ....
オレがこれ聞いたら絶対区立の中学行くわ。いいな。あいつ。羨ましいな。我が子の事だけど、なんであんな奴がイイだろう。不思議だ。

こんな事、あいつにしゃべったら絶対区立中学に行きたくなっちゃうだろう。ってことで貧乏クジは親父の所に回ってきたわけだ。言いたい。でも言えない。嫁に話すか?ダメダメ。あいつ口軽いから。ってことでブログに書いた次第です。

あ~、「君に届け」読もう。

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