君は『開』を押すか?『閉』を押すか?

先日朝、遅刻気味で会社に向かっていた。

老体に鞭打ち最寄り駅から小走りして、
会社のエレベーターへと滑り込む。

オレの会社は自社ビルではなく、
某ビジネス向け賃貸ビルを数フロア間借りしているので、
出勤タイムのエレベーターは同じビルに入っている
各会社の社員でごった返すことになる。
また、ビルのデカさの割にはエレベーターが三基しかない
というのも渋滞の原因で、毎朝ほとんどの場合、
1Fのエレベーター前が長蛇の列になることとなる。

だから、ボタンを押した瞬間、
エレベーターの扉が開いたこの日はめちゃんこラッキーだったわけだ。

エレベーターに滑り込み、すばやく9Fを押す。
よしっ!なんとか間に合いそうだ…..。

その瞬間、遠くから呼ぶ声が聞こえた……

『すいませ~~ん!!すいませ~~ん!
 ちょっと待ってくださ~~い!!』

エレベーターを呼び止める声。
明らかに、オレが乗っているこのエレベーターを
呼び止める声である。

うわぁ~…..めんどくせぇな……。

その瞬間、オレの中の天使と悪魔がバトり始めた。

『お前、遅刻するぞ!聞えないフリして「閉」押しちゃえよ!』

『ダメよ!きっとその人だって遅刻しそうなハズ!
 あなたと同じ境遇よ!待っててあげて!!』

『うるせぇ~!!
 何をモタモタやってんだ!早く閉めちまえよ!』

『ダメよ!悪魔の声に耳を傾けたりしちゃ!!
 あなたはモラリストのはずでしょ!?』

………………..(;´Д`)

う~~ん。ど~しよ…..
そうだなぁ。確かにココで先に行っちゃったら
たぶん、この呼んでる人はいつものように
1Fでしばらく待つことになるんだろうなぁ…..。
そしたら確実に遅刻だろうなぁ…..。
あと、1~2分あるな。
ココでこの人待ってても十分間に合うだろう…..。

オレは『開』を押した。

その瞬間、その人が滑り込んでくる。

『すいませ~~ん。ハアハア。ありがとうございます。ハァハァ』

『いえいえ…….』

イイ事したな。オレ。

と、その瞬間。
…………………んっ!?待って待って!?
つか、この人っ………



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階段使えや!!ヽ(`Д´)ノ

天使よ。
よしんばオレがモラリストだったとしても、
相手がそうとは限らないんだぜ……..。

冬の日のとある朝の出来事。