僕の音楽

椎名林檎/丸の内サディスティックの謎

なんとも仰々しいタイトルを勢いでつけてしまったものの、
内容が、すこぶるタイトル負けしていることを初めに謝罪しておきます。
ソーリー。

大した事ではないんですが、
椎名林檎を聴き始めてかれこれ、10数年経つわけですが
ず~っと疑問に思っていたことがあります。
それは、彼女の1stアルバム、無罪モラトリアムの中の3曲目
『丸の内サディスティック』の歌詞についてのことです。

まず、初めに曲を聴いて頂きたい。コレです。


続きまして、歌詞を見て下さい。コレです。


報酬は入社後並行線で
東京は愛せど何も無い

リッケン620頂戴
19万も持って居ない 御茶の水

マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ

最近は銀座で警官ごっこ
国境は越えても盛者必衰

領収書を書いて頂戴
税理士なんて就いて居ない 後楽園

将来僧に成って結婚して欲しい
毎晩寝具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って

青 噛んで熟って頂戴
終電で帰るってば 池袋

マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ

将来僧に成って結婚して欲しい
毎晩寝具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って




普通に読むと意味不明な歌詞ですが、
実は単語単語を拾っていくとある程度、歌詞の傾向が
見えてきます。

では、一つずつ拾っていきましょう。

■リッケン620
これは、リッケンバッカー(Rickenbacker)というギターの名前です。
ビートルズのメンバーが使ったことでも有名です。



rikken.jpg



620というのはその型番で、彼女自身が使用しているギターです。

■御茶の水
お茶の水とは、東京中央線沿いにある街の名前で、
数多くの楽器店が軒を連ねることで有名です。
軽音楽を始めたいなら、まず御茶の水へ行け!
っといった感じの街です。

■マーシャル
マーシャル(Marshall)とはギター、ベース用のアンプのブランドです。



marshall.jpg



ロックミュージシャンに愛用家が多く、特に有名なアンプブランドです。

■ラット
ラット(RAT)とは、ディストーション系ギター用のコンパクトエフェクターのことです。



RAT.jpg



オーバードライブ、ディストーションといったエフェクターは、
ギターとアンプの間にそれを中継することで歪んだいわゆる
ギターサウンドを作ることができます。

■ベンジー
ベンジーとは、元BLANKEY JET CITYのボーカル浅井健一のこと。
椎名林檎は彼のファンと公言している。

■グレッチ
グレッチ(Gretsch)とは、ギターブランドの名前。



gretch.jpg



名機として世界中にファンを持っていて、
浅井健一もグレッチを使用している。

とまぁ、こうやって拾ってみると、
全体的に音楽関係の単語を羅列し繋ぎ合わせているようです。
僕もずっとギターをやっていたので、最初に聴いた時から
以上の単語に関しては理解できました。

しかし。

しかし、どうしても解せない部分があるのです。
それは、『ピザ屋の彼女』の部分。

これがず~~っと謎なのです。
なぜ、このタイミングで『ピザ屋』が出てくるのか?
歌詞の流れから行くとどう考えてもピザ屋が出てくるとは
思えないのです。

おかしいでしょ?ねっ?

んで、ある時フイに思いついたのです。

ひょっとしてコレは、ピザ屋では無いンじゃないか?と。
歌詞カードにもピザ屋と表記されているけれども、
実際は『ピザ屋ではないんじゃないか?』と。

そうすると歌詞の流れから考えるに、この『ピザ屋』には
ミュージシャンの名前が入って然るべき。

その時、ピンと来たのです。
もちろん、何の検証もしていないし、確証も何も無いけれど
これは、

『キザイア』

なのじゃないか?と。

キザイア・ジョーンズ(Keziah Jones)とは、
ナイジェリア出身のミュージシャンで、ギタリストとしても有名です。
カッティングの名手で、曲はファンクとブルースの融合といった感じでしょうか?
とにかく、動画を見てもらったほうが早いですね。コレです。

シビレますね。

このキザイアを歌詞に当てはめれば、

”キザイアの彼女になってみたい
 そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って”

”キザイアの彼女になってみたいなんて、
浮気心を出してゴメンね。ベンジー。
そんな悪い私をグレッチで殴ってちょうだい。”

ってことになります。

これなら納得がいく。
と自分の中で検証も確証もないけど、
理由無き自信を持っていたわけです。
絶対コレだ!っと。

がっ!

この度、この記事を書くにあたってググッってみたのですが、
こんなQ & A記事を見つけてしまいました。

以下、引用です。

Q.)
椎名林檎さんの丸の内サディスティックの中の歌詞に「ピザ屋の彼女になってみたい」
とありますが、

何か深い意味はあるんでしょうか。

また、ピザの彼女になってみたいんでしょうか。

ベンジーさんと関係があるんですかね?

補足
また、ピザ屋の彼女になってみたいんでしょうか

とありますが、

また、なぜピザ屋の彼女になってみたいんでしょうか

の、間違えです

ごめんなさい(´;ω;`)

A)
ベンジーこと浅井健一のブランキー時代の曲
「ピンクの若いブタ」の歌詞にでてくる「ピザ屋の彼女」のことかと。

>補足

「なぜ」の部分について触れてみます。

ブランキーの、というかベンジーの詞は、ブランキー氏が市長を務める
JET CITYでの出来事とされています。
なので、「ピザ屋の彼女」というのもJET CITYの住人です。
つまり、「JET CITYの住人になってみたい」というファン心理というか、憧れかと。
ちなみに他には「不良少年」「いかれたロマンチスト」「かわいい女の子」
「アラスカ帰りのチェインソー」「血まみれのバカ」「ドブネズミの死骸」などがいます。

なっ、なぬ!?
ブランキーの曲に”ピザ屋の彼女”って歌詞があるってか!?
むむむむむ...........。
僕の自信を揺るがす情報が.......。

さらに、さらに、

A)
ブランキーの「ピンクの若いブタ」の歌詞ですね。
当時インタビューで意味について「あばずれになりたい(あばずれに憧れてる?)」
と言っていました。
「ピザ屋の彼女」の歌詞以外にも丸サディは浅井さんの事が結構出て来てわかると面白いですよ。

!!?
インタビューでも、そんなことを言ってたのか!?
怪しい.....オレの予測が間違っている気がしてきた......。

けどさぁ。
実際どうなのかは分からないし......。
”キザイア”説だって面白いと思いませんか?
夢があって。

って.....オレだけか?......



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