若干、気持ちがクールダウンしてきたので更新。
最近、欅坂46にハマってしまって仕方ない。
知らない人もあまりいないと思うけど、念のためリンクを貼る
---> 欅坂46(http://www.keyakizaka46.com/)
まさか我が家の長男(中2)と同世代のアイドルにハマってしまうとは.....。
なんて、家では口が裂けても言えない。
気持ち悪いと言われるだけで、何もいい事ない.....。
そういう時にこういう居場所を持ってるのってホントに救われる。
「王様の耳はロバの耳~!王様の耳はロバの耳~!」という使い方ができるのだ。
僕は元来、
「なぜにこう考えてしまっているのか?こう感じてしまっているのか?」
という自己分析をしないと、抱えてしまったモヤモヤを解消できないタイプ。
逆に、それを吐きだすことができれば、そのあとはス~っと気持ちの整理がつくタイプでもある。
僕は何かに突然「ハマる」状態を、京極夏彦さんの作品で京極堂が言う「憑き物」と同じだと考えてるんだよね。こう考えるとなんでも消化できるので。
ハマっている状態というのは自分自身でいうと「異常」な状態ですよね。平常ではない。
そのことしか考えられないとか、それはやはり「異常」。
その精神状態を平常に戻すためには自分のなかでこの「ハマっている」状態がなぜなのを消化させる必要がある。納得がいくというか、自分の中の引き出しにキレイにしまうことができるとストンと気持ちが落ち着くんですね。京極堂になぞられて僕はこれを「憑き物落とし」と呼んでいます。
これをやっておかないと後々、「あれはなんだったんだろ?」という事になる。「いい歳こいてあんなことに熱中してバカみたいだ」とプチ自己嫌悪に陥ったりします。自然治癒させてしまうと、あとになって分かんなくなるんですよね。きちんと納得させないと自分の肥やしになりません。
ってことで。
自分の中でこの欅坂46ブームが起こるまでに布石はありました。
最近というか、ここ数年。
「くちびるに歌を」「表参道合唱部」観たり、YouTubeで合唱の動画を舐めるように観たりしてたんだけど、何を求めてたかって。
ウマくはなく不安定なんだけど、純粋な歌声というか。
素人っぽい歌声なんだろうなぁと。
危うい音程が重なると不思議と魅力的だったりする。
先日、長男の学校の合唱コンクールに行った時もそう。
各クラスで合唱を行い優勝をきめるという学校行事なわけだけど、
自分でもまさかまさかだったが、3月9日とマイバラードを聴いたとき泣いてしまった。
気持ち悪いだろ。
あ~、今オレが求めてるのはコレなんだなぁと。
歌の上手い下手ではなく、こういう純朴な歌声なのだなぁと。
そういう気分だったもんだから、まさにデビューして間もないアイドルの歌声にハマったのかなぁと。
欅坂の。たぶん彼らの「今の歌声」も期間限定で、あと数年すれば素人っぽさは抜けてしまう。
歌の上手さとは別の話で。素人っぽさって意味で。そこが魅力なんだなと。
ちょっと横道にそれるけど、アイドルってのは、一瞬パッと光るようなその儚さが魅力なんだろうね。
欅坂46のサイレントマジョリティーってデビュー曲なんてまさにそうで。
同じ衣装を着せられて、きっちりとフォーメーションを組んで踊らされて、
「大人たちに支配されるな。マジョリティーになるな。君らしく自分の道を行くんだ。」
と歌わされてるわけだから。デビュー曲でね。
んで、歌ったあと、「ありがとうございました~!」と。健気にお礼を言ったりする。
切なくなるよね。
これは批判じゃなくて、その切なさとか、儚さがいいのかなぁと。
大人たちに彼らのもっとも輝いているイイ時期を搾取されてる(言い方が悪いけど)感じがファンや周りの人から見ると、さらに応援したくなる要因なんだな。
欅坂のセンターの平手さんなんて一年前の映像と今の映像で、もう別人なわけです。
映像でみる限りね。15歳の中学3年生だからちょうど変わる時期なのかもしれないけど。
それを昔の方が純朴で良かったという意見もあるし、今の方が場数を踏んでタフになった堂々としてイイという意見もある。
実際の本人はどうなのかは分からない。
全然変わってないかもしれない。
でもやっぱりスクリーンを通してみた彼女はもう別人の表情ですよね。
その変化を見れるというのもアイドルを見守るファンの人たちの醍醐味なのだろうなぁと。
親戚の子供たち、甥っ子姪っ子の成長を見ているのと同じ感覚なのだろうなぁと。
それが一番味わえるのがデビューして数年なのだろうなぁと。
それでココからがオジサンのさらに切ないポイントなんだけども。
メンバーの中には、数年経つと卒業して素人に戻る人もいれば、バラエティで活躍する人も出てくる。
もちろん歌い手としてそのままやっていく人や、芝居のほうに行く人もいる。
それぞれ別々の道へ進んでいく日が必ずやってくる。
その人たちの人生が点で重なった部分がこの数年のアイドルグループとしての活動なのだと。
このブームってのは彼らの人生にとってはほんの一瞬のきらめきなんだと分かるわけです。
そのほんの一瞬だけど点が重なって人生のきらめいている今を大事にしようと。一期一会だと。
それを名プロデューサーであり偉大な作詞家である
秋元康さんは欅坂の「二人セゾン」で歌わせるわけです。
すごいなぁっと思うんですよね。
「サイレントマジョリティー」ではデビュー曲で大人たちに支配されるなと歌わせて、
「二人セゾン」( http://www.uta-net.com/song/219728/ )では
小さな存在で、殻に閉じこもっていた自分が仲間たちとの偶然の出会いによって、新しい季節(世界)の扉が開いたと。
ただし、それは季節だから移りゆくもの。
今後ずっと続くものではなく、一瞬の輝きなんだよ。
だから、その季節を大事にしていこう。
と歌わせるわけです。
いや~、切ない。そして儚い。
さすがだなっとしか言えない。
ファンからしたらさらに応援したくなってしまうでしょう。
その上、ファンの皆さんは知ってるわけです。
その良い時期を大人が商業的に吸い上げてるって。
それを分かってるのにやっぱりCD買っちゃうわけです。ファンは。
応援すればするほど、大人たちの思うとおりなっていく。
それを分かってるけど応援しないわけにはいかない。
そういう意味でアイドルというのは儚く切ないものだなと。
ここ最近、別にアイドルが好きでもない僕が欅坂にハマった理由を考えたときに、これがもっとも合致する理由だと思うのです。
ちょうどタイミングが良かったんだね。自分自身の気分と。
中年が突然ハマるってのはそういう理由があるんだと思う。
自分の子供の成長を心配しながら見ている気分というか。
もちろん曲もよかったんだけど。
んで、歌声に戻るけども。
アイドルの歌が下手で聴けないっていう意見があるけど。逆にそこが狙いで。
そんなウマくない歌声がユニゾンするとさっき言ったような儚さとか切なさが出るんだなぁと。
合唱コンクールで頑張っている子供たちと同じように。その歌声のストーリーを見るようになる。
逆に成長を見守っている子供が突然プロのように歌い始めたらどうです?
サーッと冷めるでしょうね。ファンとしては。あ~、やっぱりこの人たちはプロなんだと。
だからアイドルにはアイドルらしい歌声が求められるってことなのだと思います。
よくよく考えてみれば僕が小学生の頃はアイドル全盛の時代で、
小学校低学年の頃、松田聖子、中森明菜、高学年になると光GENJIが一大ブームを巻き起こしていました。
アイドル全盛期に小学生だった僕は、大して興味を持つことなく
むしろ、そのカウンターカルチャーであったバンドブームに興味を持ち
ちょうど中学生の時、イカ天が放映されユニコーンやらジュンスカやらブルーハーツがアイドルブームの裏で並行してムーブメントをおこしていました。
僕自身は中学生の時にお年玉でアイバニーズのギターとマーシャルのアンプ、そしてBOSSのディストーションを買い、どっぷりそっち方向にのめり込みました。
それ以降、バンドでギターを弾きながらビートパンク、ハードロック、メタル、フュージョン、ジャズ、そしてファンク。テクノって感じの音楽遍歴です。はっきりいってアイドル音楽をバカにしてきた側の人間です。
んで、ここに来てこんなに長文を書いてしまうくらい気になってしまっている。
ホント人生とはなにが起こるか分からないなっということと、
偏見の先には何も生まれないなぁと。
なんでも受け入れる広い心を持ってとりあえず一度受け入れる。
そのあと取捨選択するのは自由です。
その方が人生が豊かになるなぁと、この歳になってアイドルに教えられた気分です。はい。