息子

ハーゲンダッツとリンゴ飴

息子はハーゲンダッツのバニラが大好き。

うまい。確かにうまい。
でも、ハーゲンダッツのCPの悪さはアイス業界でも群を抜くエゲつなさ。
『買って!』と言われても、ホイホイ簡単に買って帰れる代物じゃない。

だから、小3ともなると悪知恵がはたらくようになって
ハーゲンダッツのアイスが食べたい時は必ずこう言う。
『あ~、風邪ひいたかも~。帰りにハーゲンダッツ買ってきて』

先月末もそうだ。
仕事も残す所あと1日と押し迫った12月28日。
仕事上がりに帰るコールをすると、
息子が電話に出た。

『あ~、風邪ひいたかも~』

『具合悪いのか?』

『うん。アイス食べたい。
 帰りにハーゲンダッツを買ってきて~』

息子よ。父をナメるなよ。
お前のその手はお見通しだ。
そういうワンパターンで工夫の無いヤツは
『スーパーカップの刑』に処する。
ってことで、ハーゲンダッツは却下。
スーパーカップバニラを買って帰宅。

『ただいま~』

『おかえり~。あっ!スーパーカップじゃん!
 ハーゲンダッツじゃないじゃん!』

『贅沢を言わない。贅沢を.....』

『くそ~.....』

リビングに入ると、
テーブルのコップに赤いモノが刺さっている。


ringoame.jpg


『うぉっ!リンゴ飴じゃん!』

(嫁)『そうよ。今日、お不動さんの縁日だったから。
    あの子がお父さんはリンゴ飴好きだからって
    言うから。買ったのよ』

(オレ)『ナイス!お前エライよくやった!ファインプレーだ!』

(息子)『まぁね。珍しくリンゴ飴出てたから。
     喜ぶと思って』

オレはリンゴ飴が大好きだ。
側面部分をガリガリガリっと飴とリンゴを一気に
噛み砕いたときの歯ごたえ。
あの甘酸っぱい味。
あ~。うまい。
こんなにウマイのに最近は縁日でとんと見なくなった。

(オレ)『おいっ。お前も食うか?』

(息子)『いいよ。オレ。
     あんまり食べる気しないし。
     アイス食べて寝よ』

こんなウマイのに。
食わず嫌いなんて残念なヤツだ。

翌日.......。
仕事を終えて帰るコール。

(オレ)『お~い。終った~。今から帰るよ~』

(嫁)『は~い。早く帰ってきて。
    なんか、あの子今日昼間吐いてさぁ』

(オレ)『えっ!?マヂッ!?風邪か!?』

(嫁)『病院いったら、これはノロじゃないかって』

ありゃ~。
昨日のアレはウソじゃなかったか.......。

帰りにハーゲンダッツを買って帰宅。

(嫁)『あれっ!?ダメよ。
    ノロだから何も食べられないんだから。逆に可哀想よ』

(オレ)『あっ、そうなの(;´Д`)』

(嫁)『まぁ、治ったら食べさせてあげましょう』

あ~。意地悪せずに昨日買ってやればよかった。
後悔先に立たず。許せ。息子。



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