息子

想定の範囲をぶっちぎられる

本当の意味でケンカが強い奴とは
『金属バットを使って全力で人の頭を振り抜ける奴』だとよく言われる。

つまり、リミッターをカットしてる奴には勝てないという意味。
他人の想定の範囲を平気で『ブッチぎってくる』ヤツが何と言っても強い。
まさしくその通りだ。

近年、そのリミッターのカットっぷりをまざまざと見せ付けたのは、
なんといっても『自然災害』だろう。
人間が操作しているなら『まぁ、このあたりで終わりにしといてやるか』と
ほどほどのところで終了するところを自然というのは容赦がない。
始まったら最後、もう人間の想定する限度をお構いなしに
当たり前のように軽くブッチぎってくるのだ。

それを目の当たりにした人間は、ただただ終わるのを見ているしか
術がない。完全に戦意喪失状態に陥る。

これと同様の事態が日常生活でも訪れることがある。
(災害に遭われた方々、あくまでも比喩表現ですのでお許しください)

赤ん坊ってのは自然災害同様、大人の想定の範囲を軽くブッチギってくる。
一昨夜の我が家の次男はスゴかった.......。

夜中2:00に起き出したので、仕方なしに寝ぼけ眼でミルクを飲ませ、
それでもなお、うだうだと泣いたりしている所をなんとか3:30に寝かしつけた
と思うや否や3:40にまさかの起床。

睡眠時間10分。

そのまま朝までブッチぎりやがった。

親は寝かしつけるために、それこそ渾身の力を込める。
それは、『これを乗り越えればその後、しばらくは寝てくれる』
という淡い期待があるから頑張れるわけだが、
赤ん坊には、そんな大人の都合が通用しない。

1時間半必死で抱き続けて、あやし続けて、寝たと思うや否や

わずか10分で起床である。

あまりの衝撃に、ちょっとフイてしまったくらいである。
真夜中のリビングで1人、赤ん坊相手に

『マヂか~~........聞いてないよ~......』

っと、ダチョウ倶楽部ばりのボヤきを連発する始末。

こういった『想定範囲超えのぶっちぎり』を様々な部分で経験して
僕たちは親になっていくわけだが、それこそまさに通過儀礼のようなもので
ヘコまされて、我慢して、立ち上がって、またヘコまされて。
人間としてタフになっていくという実感がある。

この想定範囲超えのブッチぎりに対応できない
特に真面目で神経質なタイプの人が子供に対して虐待とかしてしまう。
彼等だって我が子が産まれてくることは嬉しかったに決まっているのだ。

そのくらい本当に精神的に攻められることは間違いない。

ちなみに我が家の次男は昨夜も一昨夜同様、深夜2:00より
泣き続け、僕は2日連続の≒徹夜である。
今夜こそ、寝てくれることを期待しているわけだが、
この期待もいとも簡単にぶっちぎってくる可能性があるので、
期待をしてはいけないのだ。

夜な夜な我が家では出口の見えない戦いが続いている。



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