夜な夜なバーで逢いましょう

深夜1:00のダメ出し

深夜1:00。

洗濯やら、翌日の保育園の用意やら、子供二人の朝食の準備やらを終え時計を見ると大抵、この時間を指しています。
子供二人はもちろん寝てますし、奥さんも夜0:00には就寝します。

ゴミ袋を持ってゴミ小屋へ。
ゴミを捨て終え、チラッと見ると雑居ビルの2階に灯が見えます。

あ~、やってんなぁ......。

こんな事もあろうと、寝間着ジャージのポケットに千円札を一枚突っ込んであるのです。
その足で、雑居ビルの2階へ。

いらっしゃい

こんばんは。一杯だけ。

どうぞどうぞ。

店主が応えます。

その日は5席のカウンターの4席が既に埋まっていて、50代男性が何かB4くらいの大きなプレゼン用紙を持って若い女性に対してダメ出しをしていました。

・もう少し今まで自分が何をしてきたのかを明確に。
・このプレゼン用紙を見て、あ~ウチの事をしっかり理解した上で面接にきたなっと思わせるようにしなきゃ。
・作品の意図が明確じゃないから、もっとまとめたほうがイイ。

なんだ?
深夜1:00に部下に説教してんのかな?

なんにします?

日本酒を熱燗で

しばらくそのやり取りを聞いてると、その隣にいた40代男性もアドバイスを始めました。

あ~だこ~だ。あ~だこ~だ。

店主が、

「そのプレゼンの紙、汚しちゃダメですよ~」

とその男性を注意します。

これなんのやり取りなんですか?

なんかあの女性のお客さん、近々転職の面接なんですって。
それで意見を聞きたいって。

あ~、そうなんですね。

ただ、このおじさん二人は初見なんですよ。この女性のお客さんと。

え~!知り合いじゃないの!?

そうなんですよ。このおじさん達は常連さんなんですけどね。
メチャクチャでしょ。

じゃ、この女性のお客さんは?

あ~、あの奥で寝てる男性のお客さんのお連れさんで。

初めましての人にダメ出ししてたのか、この人達.....
メチャクチャだな。

いいんですよ~。私がお願いしたんですからww

女性はそう言うけど。
深夜1:00になんで見ず知らずのおっさん達にダメ出しされなきゃいかんのだ。
ワケわからんな。

そんな話を聞きながら今日はお会計。

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