このブログでは紹介しなかったんだが、
半年くらい前に『もののけの正体』という本を読んだ。
だいぶ、うろ覚えだが、
たしか、内容は掻い摘んで言うと以下のとおり。
まず、もののけはどこから来たか?ということに端を発し、
その歴史に触れ、江戸時代の妖怪図鑑である
『絵本百物語』からのエピソード。北海道(アイヌ)、沖縄の妖怪、
アカマタとか、キジムナー、コルボックルなんかの解説。
んで、なんで人はもののけを求めたか?その社会的な背景
や役割みたいのを教えてくれる
的な感じだったと思う。なかなか面白かったのを覚えている。
オレの実家のそばには川があって、
昔から、おじいさんやおばあさんに注意を受けていた。
『子供だけで川に行くなよ!!
行くとダイダラボッチが出るぞ!!』
山に行こうとすると、
『夜になる前に帰ってこいよ!!
帰ってこないと天狗に連れてかれるぞ!!』
挙句、夜遅くまで起きていると、
『早く寝ろよ!!
9時半過ぎると鬼が食いにくるぞ!!』
もちろん、怖いから言うこときくでしょ?
天狗に連れてかれるって言われたら、そりゃ言うこときくよね。
コレこそ正に、妖怪の生まれる要因の一つであり、
上手な運用方法というか。
子供に対して
『夜は危険だから、早く帰ってきなさい!!』
っていうより、
『夜は天狗がくる!!』
ってより具体的な恐怖の対象を示したほうが、素直に聞き入れるからね。
この本だけじゃなく、他の本も読んでみたけど、
基本的に同じことを言っている。
Wikiから参照すると、
もののけ(物の怪)、妖怪=人間の理解を超える奇怪で異常な現象や、
あるいはそれらを起こす、不可思議な力を持つ非日常的な存在のこと
だそうだ。
そう。もともと、もののけには形が無かった。
口頭伝承されたものであり、ぼんやりとしたイメージは
各個人で持っていたんだろうけど形はない。
それに形を与えたのが、
鳥山石燕であり、
有名な『絵本百物語』であり、現代で言えば『水木しげる』である。
たぶん、我々の思い浮かべるほとんどの妖怪が、
この鳥山石燕か、水木しげるの描いたものだと思う。
そういう意味で、水木しげる氏は偉大だね~。
ともあれ、そんな風に形を与えられた様々なもののけが
本書では紹介されているわけだけど。
その中で、一際、オレの印象に残っているのがコレ。
彼の名は『豆腐小僧』という。
この妖怪。どんな妖怪か?
首がのびるのか?いや、石のように重くなるのか?
はたまた、沼に引きずりこむのか?それとも、強風を吹かせるのか?
いや。違う。
彼は、なにもしない。
彼の妖怪としての使命は
豆腐持ってるだけだ.....(;´Д`)
えっ!?っと思うでしょ?
だって、妖怪って口頭伝承されたものだって言ったのに。
ソレを形にしただけって言ったのに。
形はあれど役目がない妖怪がいるとは!?
でも、ホントにそうなんです。彼。
豆腐もってるだけ。
Wikiから引用すると、
豆腐小僧は雨の降る夕暮れに出没し、この妖怪の特徴である豆腐を持ち歩く。
この後の行動派生に大別して以下の2種類がある。
1.豆腐を持って歩み去るだけで、別に何をするわけでもない(無害型)
2.通りかかった人に豆腐の賞味を勧めるが、食べると体中にカビが生えてしまう(有害型)
基本的に2は後付けされたものであって、1が正統な血筋だ。
もともとは、イタチが化けたものということなんだが、
ホントに豆腐持って持ち歩くだけらしい。
しかも、
他の妖怪からもイジめられている。らしい(;´Д`)
なんか、妖怪なのに人間らしいでしょ?
やっぱり出来の悪い子のほうがカワイイっていうか。
本書を読んで、あまりにも珍しかったので覚えているわけです。
んで、いまさら半年も経ってなんで紹介するかというと、
コレをみたからだ。(http://wwws.warnerbros.co.jp/tofukozo/)
『豆富小僧』の映画がやるらしい!!
2011/4/29公開!!
子供といっしょに観にいこうかな~と思っている次第です。
もしかしたら、
この夏、豆富小僧ブームがやって来るかもよ!?( ^∀^)