嫁の一撃

嫁のあだ名

(嫁)『コルァッ~~!!
    コレ片付けなさいって言ったでしょうが!えぇっ!?』

今日も嫁が怒っている。
今日の獲物は小3の息子だ。

風物詩というか、なんというか、
10年間もコノ風景を見ていると、
『冷やし中華始めました』=『夏が来たなぁ~』
と同じで、
『嫁の怒り』=『あ~、家に帰ってきたなぁ~』
っと、ちょっとホッとするから不思議なもんだ。
自分でも、もう僧侶の域だなっと思うことがあったりなかったり.....

やっぱり人間、元気が一番。
家族にはいつでも元気であってもらいたい。
嫁が吠えていると『よかった。今日も元気だ』と思う。
嫁の場合、怒りは元気のバロメーター。
モノは考え方だな。

しかし、10年間というのは大人にとってみれば
あっという間で、それほど大きな変化はないのだが、
子供にとっての10年は、それはそれは大きいわけで、
ついこないだまで、怒られたら

『ごめんなさい。ごめんなさい。
 許してください。許してください』

と、涙を流していた息子も、すっかり大人になってしまい、

『あぁ。分かった。ゴメン。ゴメン』

っと、右から左に軽く受け流す術を見事にマスターしていた。
子供の成長とは恐ろしい。

(嫁)『んっ!?ムムムム.......。
   今度こそ、ちゃんと片付けなさいよ!分かった!?』

(息子)『オッケー。ホントゴメンね。お母さん。ホントゴメン』

(嫁)『く~~...........。もうっ!プイッ』

ほ~う。我が子ながら、実にうまく受け流すモンだ。
っと感心していると、

(嫁)『ちょっと!アンタッ!
    ホラッ!毛が落ちてる!もうっ!
    あれほど毛を落とすなって言ってるでしょうがっ!』

(※以下の記事参照のこと)
https://from-meguro.com/archives/469
https://from-meguro.com/archives/13

っと、まぁ、不完全燃焼の嫁の怒りのとばっちりを
オレが受け止めるという由々しき事態になっているわけである。

子供の成長に親がついていけてないわけだね。

さらに息子が続けた。

(息子)『母さん。母さん。
     あんま怒らないほうがいいよ。
     オレらの間で母さんなんて呼ばれてるか知ってんの?』

(※嫁と息子の友人との関係性はこの記事参照のこと)
https://from-meguro.com/archives/364

(嫁)『えっ!?んなの知らないわよ。なんて呼ばれてんのよ』

(息子)『母さん。俺らの間で、

     ”どじんプンスカ”って呼ばれてんだぜ。

     ちょっと気にすれば』

(嫁)『どっ、どじん!?なによ。ドジンって?』

(息子)『怒る人だよ。怒る人って書いて"怒人"』

(嫁)『..............くぅぅぅぅぅぅ..........』

プスプスと不完全燃焼の嫁に、あろう事か追い討ちをかける息子。
子供の成長とはホントに恐ろしい。
つか、プンスカとかなんとも上手くつけたもんだ。
ちょっとカワイげがあっていいではないか。

(嫁)『アンタ!!
    ホラッ!毛拾いなさいよ!ウラッ!!』

だから、オレ関係ないってば......。

息子の成長と共に、
息子と半分こにしてた嫁の怒りを、全部受け止めることになったオレ。
ズルイぞ。息子よ............。

ますます立場が悪くなる一家の主なのだった。
シクシクシク........



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