嫁の退院にともなって
茨城の実家から上京してもらっていた母が一昨日帰った。
出産で入院した場合、退院日ってのはなんだかんだと忙しい。
退院=自宅へ新しい人が1人増えるわけだから自宅の方の
受け入れ体制を整えておかねばならない。
身の回りのモノってのは出産前に、ある程度整えているけど、
家の掃除をしたり、区役所に出生届やら医療費助成証、児童手当やら
各種の届けを出したり、生命保険の追加や、保育園の申し込みや、
内祝、誕生した御連絡のハガキを手配したりと出産後の仕事も多岐に渡る。
とにかく忙しい。
せっかく会社休んだんだから今日中にほとんどのコトをやっつけておきたい。
だから、6日間近くも滞在してもらって色々と世話をしてもらった母の事を
労ってあげている暇もなく過ぎてしまった。
帰省当日、『せめて駅まで送っていくよ。』といった息子の言葉を振り払って
『大丈夫よ。大丈夫。忙しいからココでイイから。
じゃ元気でやんなさいよ。あんた。家族4人になるんだからね。
落ち着いたら皆で顔見せにきなさいね。
じいちゃん、ばあちゃん、お父さん。みんな見たくて仕方ないんだから。
あと、コレね。出産おめでとう』
と、最後に出産祝いの封筒を息子に手渡した。
『ありがたくいただきます』
と、頭を下げる息子の肩を叩き
『じゃ、しっかりね!』
と1人、バッグ一つで我が家を後にした後ろ姿には、
『任務完了』っとテロップが出てくるんじゃなかろうかっと思うくらいに
達成感がみなぎっていた。
先週金曜日から6日間知らない土地、初めての場所で家事をこなし、
孫の面倒をみて、息子の身の回りの世話をし、娘の病院へ荷物を届け、
挙句、去り際に20万円もの出産祝いを置いていった母。
無償の愛とはこのことだろう。
将来果たしてオレにこの真似ができるだろうか?
いや、自信ないな......。
ありがたくて、ただ、ありがたくて。
後ろ姿を見送りながら、無意識に手を合わせて拝んでしまったよ。
ありがとうございました。
母の後ろ姿同様に梅雨の空は珍しくさわやかに晴れていました。
っと安い小説のような結びとなりました.....。