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先日、祖父が死にまして....。

先週の金曜日2/22に実家の祖父が他界した。

昼飯後の気だるい午後15:30頃、母から連絡が入った。
イヤな予感がしたんだよな。ホントに。

『じいちゃん死んじゃったよ』

電話口での開口一番の一言は、
衝撃的な内容のわりには、わりと淡々と告げられた。

御年95歳で老衰による大往生。
失礼ながら涙のなの字も出やしない。
十分だもの。
ここから病気して亡くなるくらいなら、
特に痛い思いもせず、そのまま亡くなったほうが
イイに決まってる。

よかったね。じいさん。ゆっくり休んでください。

そこからは火の出るような忙しさ。
伊丹十三作品の『お葬式』よろしく、
涙ちょちょ切れるような展開はなく
淡々と事務的に物事が進んでいく。

田舎のお葬式ってのはスゴイ。
何がすごいって何もかもがスゴイ。
すごいっていうかメンドクサイ。

僕は本家の長男ってやつなので、
何するわけでもないんだけどずっと拘束され、
ずっと来客の対応に追われる。
一日中同じようなジイチャンにまつわるアレやコレやの
話を聞いたり話したりする。親父といっしょに。

嫁さんは嫁さんで、長男の嫁なので、
お客さんへのお茶出しと挨拶に追われ続ける。
弟の嫁さんといっしょに。

弟は弟で、香典なんかの会計役をまかされて
パチパチとエクセルで計算。

ウチの長男は弟の子供の面倒をみてゲーム三昧。

泣いてる暇なんてない。

でも、今回のジイサンの葬儀なんて大したことないらしい。
今回ウチは葬儀屋を使うことにしたので、
そこまでではなかったのだけど、他の家は
自宅で炊き出ししたりするもんだから忙しさのレベルが
全然違うらしくて。
もう、全てが終了するとクタクタになってしまって
しばらく何もする気が起きなくなるそうだ。

今回衝撃だったことはいくつかある。
まず、東京と違ってウチの田舎では、
通夜の前に焼き場で火葬してしまうことだ。
普通、僕の知ってる葬式ってのは、
通夜があって、翌日葬儀があって、
その時にご遺体を焼くわけであって、
通夜の前にあらかじめ焼いてしまうなんて聞いたこともない。
でも、ウチの田舎ではそれが常識なのだそうだ。

火葬、通夜、翌日、葬儀、その後埋葬、
その後、式場に戻って忌中払いとなる。
まったく、ヘンチクリンな順番である。

それと、もう一つは、
香典の表書きが『御見舞い』なのだ。
通常であれば『御霊前』となるわけだが、
ウチの田舎では、紅白の袋に『御見舞い』
と書くのだそうだ。
これを知らずに他のところでやったら、
間違いなくケンカになってしまうだろうな。

ともあれ、真心ブラザーズの『高い空』のように

君の煙は、空に昇っていった~♪
あっけないくらいわずかな煙だった~♪

あっけないくらいわずかな煙を残して
ジイサンは灰になった。
そして、すっぽりと胸の中に納まる程度の
骨壷の中に納められて墓の下へ埋められた。

人は誰しも必ずあ~なるんだな。
どんなに豪快な人も、ネチョネチョした人も
腹黒い人も、爽やかな人も。
死んでしまえば、みんな同じだ。

今回の葬儀を終えて嫁がボソッと一言。

『お義父さんも、お義母さんも、おばあちゃんも
 ウチのお母さんも、私のお姉ちゃんも、
 とっちゃん家族(僕の弟)もみんな一緒に住んじゃえば
 いいのよね。別に。そのほうが色々と都合がいいし』

嫁の言いたいことは、なんか分かる気がした。

寂しい気持ちと、色々してあげたいって気持ちと、
東京と田舎の距離的なことと、
やらなきゃいけない業務的なことと、
結局、死ねば、みんな同じだってことと。

そんなことを考えてると、結果、そんな風に感じるのは
分かる気がする。

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