金八先生と大人の余裕

※以下の文章はツイッターに呟いたことを
チョコッと再構成したものです。

先日、財布を忘れた時の事。

つくづく便利な世の中になったものだと思う。
財布を忘れた事に全く気付かず会社に着き
仕事をしていてコーヒーでも買おうとバッグを
確認した時に初めて気づいた。
わずか35円とPASMO、nanacoが
入っている小銭入れ。
それは持っていたのでPASMOで通勤し
nanacoで朝飯を買った。
そして、財布の無い今からもLAWSONで
PASMOを使って昼飯を買い、
何不自由なくこのまま一日を過ごすだろう。

財布を忘れても何不自由なく過ごせる世の中。
便利だけど、やっぱりちょっと恐い。
これだけ便利だと人は退化するよね。絶対。
いつか道具に人間がつぶされる。

っていうか、既に潰されてたな。
LINEのメッセージを読んでんのに
返信しないとかそんなことで自殺しちゃったり
してるわけだから。人が作った便利な道具の
せいで既に人が潰されてた。
なんか歪んでるなぁ。

まぁ、それは置いといて。

いや~、しかし財布忘れて別に不便が
無いとはいえ丸腰ってのは若干不安なもんだ。

だって手元にはPASMOとnanacoと
数十円しかないんだよ。怖いじゃん。ど~すんだよ。
帰りに夜道でオヤジ狩りに遭ったら。
ど~やってそのシチュエーションを乗り越えんだよ。
「おっさん金出せよ!」って言われて
「これしかないっす」って35円出すのか?
それ状況悪くするだけだろ?

「おいっ!オッサンなめてんのか!ジャンプしろ!」
っと脅されて
「すいません。今日財布忘れてこれしかないんです」
とか返したらタコ殴りにされるぞ。
せめて狩られたら狩ったヤツの希望に
応えるくらいは持ってないと。
おっさんらしく。「コレ持って行きたまえ」みたいな。

つか、もうオヤジ狩りされる歳になってきたなぁ~。
悲しいけど、これが現実なのよねぇ。

カッコ悪いって声が聞こえてきますがね。
実際問題、突然後ろから飛び蹴りされて
振り返ったら十代後半の若者たちが5人も居たら
「勝てない」って思うよ。絶対。
んなの、無理するよりカッコ悪くても
一番無難な道を選ぶのが正解だって。
世の中何も悪くないホームレスの方々が
何人犠牲になってると思う?学ばないと。

そんなヤサグレた彼らの大半は、それから数年経って
結婚して家庭を持って、そのうえ子供ができたら
家族のために一生懸命働き始めるんだって。
そんないつまでも悪い奴なんて一握りなんだよ。
だから彼等のためにも無難にその場を納めるのが得策。
カッコつけて殺されたら。
いや、殺させちゃったら彼等の人生に悪い。

そこまで読み込まめないと大人とは言わない。
っと僕は思いますがいかがですか?

そう考えるとさ。我がリスペクトする金八先生とかさ。
やっぱり、ちょっと違うかな?って思っちゃうよね。
だって、思春期真っ只中の10代の少年少女を
自分の思い描く理想の10代の型にはめるべく
孤軍奮闘するわけでしょ。
「違う!お前そうじゃない!」ってさ。
嫌がられてもしつこく説き伏せるわけでしょ。

今、こうして30代後半になってみて思うことは
彼等には彼等なりの言い分があって、
いろいろと回り道したり、時には警察のお世話になる
ような悪いことしたりもするわけだけど。
自分の経験上、さっき言ったたとおり、
歳行けばそれなりに落ち着いてきて
それなりやっていくわけで。

金八みたいにグイグイ短期間で軌道修正させるのは
やっぱり大人のエゴっていうか、
マスターベーションでしかないと思うな。そこだよね。
大人に余裕がなくなって中長期的に子供の動向を
見てやれなくなったのが問題なんじゃないかと。
別に中学時代じゃなく20歳超えてからでも
マトモになればいいじゃんね。

余裕のない大人が多くなったっていうか、
そんな大人を生み出す世の中にシステムに
なったっていうか。
尊敬する倉本聰さんの「一寸引き」話じゃないけど、
即席の時代に入ってみんなが結果を
すぐに求めすぎるっていうのか。

まぁもう少し様子見ましょうよって思えば
なんとでもなるよね。子供に対して。
なにも殺さなくてもいいし。
適当にやらしときゃいいんだよ。
大人なんだから。バカバカしいよね。
殺した。殺されたって。子供と大人が殺しあってさ。

また理想論掲げちゃったよ。すいません。
そんなうまくいくかってね。
うまくいくわけないよね。そんなん。

でも、この理想って僕にとっては
ホントに目標とするところで。
自分の思い描く理想の大人ってコレだなって思う。

会社の上司でもキリキリとホウレンソウを要求して
何でも自分でジャッジしないと気がすまない人
っているでしょ?
そういう人のもとで優秀な人材は育たない。
なんでもお伺いをたてて仕事を進める人間しか
育たない。

それに対して、ある程度余裕をもっていい意味で
適当に管理している上司のもとの部下ってのは
自分で判断して動ける人材が育つ。これ間違いない。

ウチの会社にも掃き溜めみたいな部署があって、
この部署には各部が「ダメの烙印」を押した社員が
集まってくる。ここの部長がとても器のデカい男でさ。
なんでも彼らに任せちゃう。
結果、時間はかかってもいつのまにやら
ダメの烙印をおされた社員たちがガンガン仕事を
回すようになってる。いつのまにやら。
つか、なにが一番凄いって。ここ数年、
この部署から辞めた人間がいないってこと。
これってスゴイことなんだよ。
会社にとって数年働いてフェイドアウトされるほど
不利益なことないわけで。
その社員がデキるデキないに関係なく。

今の大人に欠けてることって「時間」なんだな。たぶん。
「待つ余裕」っていうか。まさしく大人の余裕っていうか。
そしてそれこそ必要なものなんじゃないかと。

神経質にすぐに目くじらを立てる世の中だけど。
例えば「差別だ!」とかさ。ちょっとした事でも
本人たちより周りの第三者がピリピリと
過剰反応しちゃって。味噌クソ関係なく騒ぎ立てる。
別に笑って済ませりゃいいんじゃないかと思う。
当事者が対して気にしてないなら。
こちらも笑ってあちらも笑って。適当に。程々に。
そこに差別はあったとしても差別で傷付く人がいなけりゃ
何もないのと同じこと。

皆が精神的余裕のある世の中。
理想ですけどね。あくまで理想。



ドラマ「若者たち2014」における斉藤由貴キャスティングの意図

※これはあくまで僕の妄想です。ご理解いただいた上でお読みくださいませ。

一昨日、「若者たち2014」の第6話を見た。
やっぱりイイドラマだ。

瑛太扮する暁が満島ひかり扮するひかりを平手打ちし
「あいつ(旭)にあんな事やらせんな。おまえ」には
涙が出てしまった。
(まぁ、観た人しか分からないな。これは)

とりあえずあらすじは以下のURLから参照ください。
こんな感じです。
http://hansen9006.blog.so-net.ne.jp/2014-08-21-1

もちろん、良かったは良かったけど…..。

実は前々から思っていたんだけど、
この「若者たち」ってさ、
キャスティングとかシチュエーションとか
「これ絶対狙ってんだろ」って部分が多くあって、
たぶん、そう思ってるのって僕だけじゃないはず。

僕と同じような趣味の皆さんであれば
うわっ!やりやがった!ってゾクゾクするような
設定になってる。この層は絶対食いついてくるぞっと
マーケティングしてるのだろうね。

まず、キャスティングが
瑛太、満島って来たら「それでも、生きてゆく」を思い出すでしょ。
んで、それに合わせて柄本明を当ててくるわけではなく
その息子の柄本佑を出してくる。

その層の人間たちが好きであろう蒼井優、あまちゃんの橋本愛、
万人受けを狙って長澤まさみ。妻夫木もそういう意味だろうね。
バランスとってるのだと思う。

んで、杉田成道が演出してるわけだから「北の国から」枠で
吉岡秀隆を入れてくるでしょ。
初代「若者たち」の主人公って田中邦衛なんだよ。

これ、この段階で絶対いろいろと狙ってるよね。
間違いなく。
製作スタッフ陣がニヤニヤ笑ってる姿が
容易に想像できる。

んで、話の中にも「どうだ?」とばかりに狙いが見え隠れする。

第四話で柄本佑扮する三男陽の劇団が公演をするんだけど
その演目がつかこうへいの「飛龍伝」なんだよね。
それに合わせて、実際に飛龍伝で神林美智子を演じたことのある
広末涼子をキャスティングして劇中で飛龍伝の一幕を演じさせてみたり。

んで、昨日の6話とか「となりのトトロ」x「狭山事件」の都市伝説を
思い出した。(https://from-meguro.com/archives/6357)

絶対とは言えないけど、これは暗喩だと思う。
スタッフの狙いとしか思えない。

上のリンクを読んでもらってるとおおかたのあらすじは
ご理解いただけてると思うんだけど。

ひかり(満島ひかり)と新城(吉岡秀隆)は不倫関係にある。
それが新城の妻の美穂にバレる。
んで、別れるように言われるわけだ。

妻の美穂は娘のことを考えこの事をグッと耐えて
なかった事にしようとするわけだ。

ココまで読むとよくあるドラマの話でしょ。

でも、ここでもスタッフ陣にニヤニヤしながらキャスティングしてる
様子が見えるんだよ。「わかるかい?」って感じで。

なんと、この新城の妻の美穂役をを「斉藤由貴」が演じてるんだよ。
これには驚かされた。
なぜにココに斉藤由貴なの?と思うでしょ。
この役はわざと斉藤由貴なんだと思うんだよ。

ここまで読んで分かる人は分かると思うんだが。

斉藤由貴といえば、その昔、尾崎豊と噂になったことがある。

当時、すでに尾崎豊は結婚して子供いたはずなんだよね。たしか。
つまり、尾崎と斉藤は不倫関係にあったわけだ。

分かります?

そういうことなんですよ。
いやらしいでしょ?絶対狙ってると思うんだよね。
だって、旦那役は尾崎豊の親友と言われた「吉岡秀隆」だし。
この吉岡秀隆が旦那ってとこで絶対狙ってると思ったね。

んで、ドラマのセリフで斉藤由貴にこんなセリフを言わせてる。

「あなたは大きな誤解をしている。
相手は既婚者だった時点で、もうそれは運命の人じゃないのよ…」

「このままだと傷着くのは彼女の方だと思うわよ」

深い。
斉藤由貴が言うとセリフの重みが違う。

第6話はさすがに製作スタッフの皆さん言い訳できないよ。
他の回はサラッとかわせてもこの回はかわせない。
だって、ほかのドラマなんかしばらくお目にかかったことのない
斉藤由貴をわざわざ吉岡秀隆の嫁さんとしてキャスティングしてる
んだからさ。他の人でいいじゃん。別に。

こっからは完全に僕の妄想になっていくんだけど、

傷心のひかりに長澤まさみ扮する多香子がリサローブの曲を弾き語る
シーンがある。

この多香子はギターを燃やすくらい音楽に見切りをつけようとしてるわけ。
明らかではないけど、昔、ミュージシャンを夢見ていて夢破れたか
なんかなんだと思うんだよね。

その多香子が満島ひかりに向かって歌を歌うんだよ。
満島ひかりってその昔Folder,Folder5でいたわけでしょ。
音楽で夢破れて、その後長い下積み経験して
今俳優として大成しているわけだけど。

そういうのまでわざと狙ってんじゃないか?っと思っちゃうわけです。

ココまでの話は、はっきり言って僕の妄想だけど
そういう見方でもこのドラマは楽しめます。

んで、最後に蛇足的に。
リサローブの件で出てきた映画が「リアリティバイツ」。
僕もその昔学生の頃観たけど、いわゆるアメリカの青春群像劇。

リアリティバイツを日本語に訳すと、

「現実は厳しい」

はい。お後がよろしいようで。



嫁には絶対に語れない話

こんな所で声を大にして図々しく書くことじゃないんだが、
世間一般の方々と同じように、僕と嫁は色々と
あ~でもない、こ~でもないって感じの色恋沙汰があって結婚した。

繰り返します。
35歳になってこんな事書くのは自分自身気持ち悪い。
ネタがないので、オエオエ言いながら書いてる感じだ。
もう、しばらく続きますが気持ちの悪い方はこの辺で
引き返してくださいませ。
興味のある方だけ、恐れながらズズズと読み進めていただきたい。

嫁と知り合ったのは、僕が社会人2年目24歳のときである。
嫁と会社の上司が知り合いで、食事に誘われて行ったら、
そこに居たという感じ。

入れ揚げたのは僕のほうだった。
一目見たその時から「もう絶対この人だ」と思い込んだ。

当時、僕も嫁も別で付き合っている相手がいた。
僕の方は、もう夢中なもんだから。嫁にね。
今となっちゃ大変申し訳ないことをしたと反省しているが、
「好きになった人がいるから」と当時付き合っている人と
即刻別れていただいた。
僕は単細胞なので、そういう時、上手く立ち回ることができない。
二股できる人ってのはスゴイね。
なぜ顔にも出さず平然と何人もの人と付き合うことができるのか?
うらやましい限りだ。

その後、それはそれはストーカー並のしつこさで嫁に迫り続けた。

それだけ聞くとホントにストーカーになってしまうので補足するが、
しつこくするにはそれなりの理由があってのこと。

彼女と別れるか別れないかというタイミングで
嫁の方もまんざらでもない素振りで、
今付き合っている男と別れるという事をほのめかしていたし、
その段階で既に僕の家に泊まったりしていたわけで。
その状況だったら『イケるんじゃないか?』って思ってもしかたない。

僕がホントに彼女と別れたと話した時の
嫁のヒキっぷりたるやヒドく、顔にアリアリと出ていて
今冷静に考えてみると、たぶん嫁としては、
僕をただの浮気相手として考えていたのだろうと思う。

「遊びのつもりだったのに、こいつ本気で別れやがった」と。

そこからの嫁の及び腰たるや凄まじく、
今まで、あれだけ言い寄ってきてたくせに、
「今の彼氏とは別れられない」とかなんとか
言い出して、サッサと縁を切りたい態度に出始めた。

今さらそんなこと言われても
こちとら彼女とも別れて背水の陣で臨んでるだけに
一度付いた火をそんな簡単消せるわけもない。

「私、彼氏と別れられないし、結婚前提だから。ごめんね」
と言われても、
「二股で構わない。別れるまで待つ」
と、言って待ち続けることになった。

待て待て。ここでちょっと確認するが。

面白いか?この話?

大丈夫か?ココまで書いてきてなんだが、
若干ヒイてきたな……。
まぁ、ホントに、ホントに読みたい人だけ読み進めてくださいね。

では、続き。
当時、嫁の付き合っている男というのは、
12歳年上の30代中盤の男で、二人は結婚を前提に付き合っていた。
既にプロポーズされていて、
まだまだ社会人になりたてだった嫁は
「もう少し待ってくれ」
と一度目のプロポーズを断っている状況だった。
断ったとはいえ、
今はダメだけどもう少し時間をくれれば、いずれは結婚する
っていう前向きなお断りなわけで、実質的には婚約状態だった。

これが地獄の始まりである。

相手の男はこの事を知らず、
嫁には二股でイイっと言ってしまっている以上、
僕が浮気相手で、相手の男が正式な交際相手なわけだ。

休みの前日は基本的に正式な交際相手の家にお泊りに行くし、
イベント、例えばクリスマスとかそういう時も正式な方を優先せざるをえない。

嫁としては、相手の家にいる時に浮気相手から電話やメールが入るのは、
絶対にN.Gなので、相手の家に行く時は必ず僕にメールをしてくる。

『今から行って来ます。明日の夕方には自宅に帰ります。ごめんね。』

っていう身を裂かれるようなメールを受け取ることになるのだ。
コレは受け取った人間でないと分からないだろうけど想像以上にキツイ。

受け取ったその夜なんて眠れるわけがない。
恋焦がれている相手が、今この時、見知らぬ男の家で
色々とナニしちゃってるわけだからね。
キツイよ。コレは。

嫁もこの事を気にしていて、
『ホントにもうイイから別れてくれないか?』
っと何度も言ってきた。
そりゃ、そうだろうな。普通の人間なら。
いくら相手が二股でイイって言ってるからって
良心の呵責ってもんがある。

それでも僕は断固として譲らなかった。
『大丈夫。お前がイイっていうなら気長に待つから気にしないで』
と、半ば意地と見栄で言っていたと思う。
いや~、嫁からしてみれば相当ウザかっただろうな。間違いなく。

それで、この状況が1年続くことになる。
もう、この期間は記憶がないくらいにツラかった。
人間てのは怖いね。
冷静な判断がつかなくなるんだよね。ああいう時って。
あの状況が『憑き物がついてる』状態なんだろうな。
京極堂的にいうと。
なんていうのかね。自分に酔ってくるんだよね。たぶん。
今となっちゃ、気が狂ってたとしか言いようがない。
一年て。普通、途中で諦めるだろう。っていうね。

んで、忘れもしない一年後の2月14日。
事態が動いた。

当時、中目黒駅前にあったベッカーズというファーストフード店に
バレンタインのプレゼントを渡したいという名目で呼び出された。
その時、嫁から朗報がもたらされた。
朗報がもたらされたって….。固いな。こりゃ。まぁ、いいか。

「今の男とは別れる。正式に付き合って欲しい」と。

この時、正直言うと嬉しいという気持ちは、あまり無かった。
嬉しいというより、「やっと終わった….」という安堵感が強かった。
「やっと、ぐっすり眠れる」と。
でも、その後、
「いやいや、待て待て。まだだ。
 こいつは、突然”やっぱりやめた”って簡単にいうヤツだから
 信じるのは、まだ早い」
っと思い返したのを覚えている。

そう考えると、
「好きで好きでどうしようもないから付き合って欲しい」
っていう気持ちは、その時既に無かったんだと思うね。

どっちかっていうと、やっとゲームクリアできたみたいな感じ。
ミッションコンプリートっていうか。
やっぱり、意地になってたんだな。そう考えると。

んで、その後、何度も考えた。

なんで男と別れてくれたんだろうか?
不思議だよね。

実は僕は、もうダメだろうなっと半分思っていた。
ずっと、このままって訳にはいかないから、
そろそろ自分の気持ちの整理をつけないと相手にも悪いなぁって。

その矢先に、こういうジャッジを受けたもんだから
余計に『なんでだろう?』って考えた。

たぶん、二人だけで秘密を共有したことが良かったのかな
っと思っていた。それと嫁も情に流されたのかなって。

んで、当時、思い切って嫁に聞いてみた。
『なんでコッチを選んだの?』って。

そしたら嫁がこう言うんだ。

「そうねぇ。別にあなたの顔が抜群に好きなわけでも、
 性格が抜群に合うわけでもないし。
 あなたに経済力があるわけでもないしね。
 う~~ん。難しいけど、強いて言えば
 ”この人のほうが幸せにしてくれそう”と思ったことがあるのよね。一度。
 それはね。普通に二人で話してて、あなたが何気なく言ったことなんだけどね。
 その時、いつものように私が、

 ”そろそろ諦めて別れましょうか?
  あなたに悪いし。実際、正式に付き合うことになったとして
  こんな二股掛けてる姿見てたら信用できないでしょ?そんな女。
  こうなっちゃった以上、普通にお付き合いするのは無理じゃない?”

 って言ったら、あなたが

 ”そんなコト気にしなくていいよ。
  分かってやってることだから。
  初めて会ったときから、別に男がいることも知ってたし。
  それを承知の上でお願いしてるんだから。
  その男を好きな君を好きになった以上、
  ……その男への気持ちをひっくるめて君をもらいます”

 って言ってさ。
 ちょっと感動してしまって、「この人なら…..」って思ったことがあるわね。
 コレ結構強烈に覚えてるから選んだ要因の一つかも。」

へぇ~。そうか。そうだったか。
確かに言った覚えがある。
本人が言うくらいだから、ホントに感動したんだろうな……。

でも……….。
でも、正直言うと嫁を感動させたこのセリフには実は元ネタがあるのだ。

実は、コレは1980年~1987年まで続いた
高橋留美子の『めぞん一刻』の中で
主人公 五代裕作が音無響子の元夫 惣一郎の墓前で
語るこのシーンのパクリである。

「正直言ってあなた(惣一郎)がねたましいです・・・
遺品返したところで響子さん絶対あなたのこと忘れないと思う。
忘れるとかそんなんじゃないな・・・・
あなたはもう、響子さんの心の一部なんだ・・・
だけど、おれ、なんとか、やっていきます。
初めて響子さんに会った日からあなたがいて・・・
そんな響子さんをおれは好きになった。
だから・・・あなたもひっくるめて響子さんをもらいます。」

当時、嫁がその男の家に行く夜は気が気じゃなく、
全く眠れない状態だった。
そんな状態で自宅で横になっているのは
あまりに苦痛だったので、気晴らしも兼ねて
夜な夜な駅前の24時間営業のマンガ喫茶に
入り浸っていたのである。

ちょうど、そこで学生時代に古本屋で全買いした
「めぞん一刻」を見かけて、また自分自身の現在の
心模様ともあいまって一気読みしたばかりの頃だったのだ。

じゃなきゃ、こんなハズカシイセリフが平然と口をついて
出てくるわけがない。

つまり、僕は、
借りたセリフで、嫁をゲットしたわけである。

いや~、人生、色々な引き出しを持っていたほうがいいね。
なんでも覚えておくにかぎる。

しかし、まさか自分が借りたセリフでオトされたなんて
知れたら、たぶん八つ裂きの刑に処されるだろう。

それでなくても惚れた弱みで、付き合いだしてから今まで
ずっと尻に敷かれ続けているのに、
嫁本人には絶対に知られるわけにはいかない事実である。

ともあれ、この「めぞん一刻」。
たぶん、僕世代までの人は結構メジャーなマンガで、
ほとんどの人がストーリーを知っているはず。

ホントに良いマンガなので読んだことのない世代の皆さん、
ちょっとでも興味のある方は一度読んでみてはいかがでしょうか?
10代の皆さんはご自分のお父さんお母さんの青春時代を
感じられると思います。
泣きますよ。ホントに。