息子

息子の悩み

やぁやぁ、久しぶりの更新である。
仕事が年末の仕込みのためにいきなり繁忙期に突入して、
それにあわせるように風邪をひき、満身創痍のまま
11月も半ばまで来たが相も変わらず出口の見えない海状態。
いつになったら暇になるんだい?
この時期、毎年思うけど.....。
もうそろそろ海外もパンクし始めたので終了しそうだが、
どんな無理が入ってるくることやらと言った感じ。

まぁ、とりあえず、ちょっと時間がある時は更新しないと。

んで......。
最近、
息子がいっちょまえに友人関係に悩んでいるようだ。
........っというような書き方は他人事のようで、
冷たい感じがするが、まぁ正直、言ってしまえば他人事である。
小学校3年生で友人関係で何も悩みのない方が異常だ。
人間9年も生きてれば何かしら垢も付くってなもんで。
親とはいえ子供の人間関係に口出しするほど野暮なモノはない。

こういう時は、大人のソレと同じように
話を聞いてやり、うんうん。と頷いてやり、お前の思ってる通りに
やりなさい。と肩を押してやるにかぎる。

そんな軽いスタンスで話を聞いていると
思ったよりもパンチ力のある話を聞くことになった.....。

息子には、学校でもそれ以外でも、
いつもいっしょに遊んでいる友達が一人いる。
仮に修介君としよう。

息子が修介君と仲良くなったキッカケッてのがあって、
小学校入学した当初、同じクラスのヤンチャな男の子に
修介君がイジメられてて、保育園からそのヤンチャな男の子と
いっしょだった息子が仲裁に入ったことがキッカケらしい。

修介君も相当、ナヨナヨした子だったようで、
それ以来、ずっと息子といっしょに行動するようになったそうだ。

しかし......子供の頃の時の流れというのは恐ろしいもので、
彼らはわずか1~2年でみるみるうちに成長し体も心も変化していく。
それに応じて状況も驚くほど変化する。

あのナヨナヨしていた修介君は、いつのまにやら他の同級生が
誰も文句をつけることができないくらい逞しい男になり、
手下を引き連れて校内を闊歩するようなガキ大将へと成長した。

逆に、その昔修介君をイジメていた同級生の男の子は、
クラスでも居るのかどうかもわからないような目立たない子になった。

ウチの息子はというと、嫁の血を見事に受け継ぎ
目立ちたがり屋の小心者になった。

とはいうものの、日々いっしょにいたという実績があるので、
息子と修介君はここまでイーブンの関係を保ち続けていて
逆に言えば、クラスでも修介君とイーブンな関係で話ができるのは
息子だけだったわけだ。

ところが先日、息子にとってショックな出来事が発生した。

いつものように日曜日に遊ぶ約束をして、いつもの公園に行ってみると
既に修介君の数人の仲間が遊んでいた。
息子が『お~~い。おはよう~!』と声をかけて近寄ると、

(修介君)『お前、誰だよ。知らねぇよ。帰れよ』

とニヤニヤしながら言われたそうだ。
それに対して、

(息子)『なんだよ!?約束したから来たんじゃん!』

というと、

(修介君)『はぁ!?何言っての?みんな行こうぜぇ!』

と言われたので頭にきてその場を離れたそうだ。
無論、小心者の息子がその後、家でシクシク一人泣いたことは言うまでも無い。

その日を境に息子は学校で修介君から無視されるようになった。
まぁ、集団でイジメられるというようなことではなく、他の同級生とは
仲良く遊んでいて、唯一修介君からだけ無視されるようになった。
ただ、息子の心中を察するにさぞ傷ついたことだろう。
昨日まで仲良く一緒に遊んでいた友達に突然何の前触れもなく
無視されるようになったわけだから.......。

(オレ)『お前、なんか修介君が傷つくようなこと言ったんじゃないか?』

(息子)『ううん.....オレもなんか言っちゃったかな?と思って考えたんだけど
     特にコレってのが無くて........』

と、まぁ完全にヘコまされてる有様である。
息子の言葉を信じるならば、息子はターゲットにされたとしか
思えない。
まさしく、天狗になった成り上がりガキ大将の遊び道具にされた
といった感じか。

この修介君のきたないというかズル賢いところが、
ガキ大将のくせに先生を含め周りの人間からは一目置かれてる所だ。
普通、分かりやすいガキ大将、いやガキ大将というよりイジメッ子っていうのは、
先生からも目を付けられ、周りの同級生からも煙たがられているもんだが、この子は違う。
クラスでも成績優秀で、先生からの評価も高く、
他の同級生からも別に煙たがられているわけではない。
どちらかといえば人気者だ。
ところが陰ではコソコソと気に入らないヤツを標的にして無視したり
罵声を浴びせたりしているらしい。
そのイジメられっ子グループに息子も加わってしまったわけだ。

この話を聞いてオレもムカムカしたが、ココで親が手を出すのは
反則行為だと思うので思い止まる。

なんと分かりやすい社会の縮図だろうか.......。
男の世界とは多かれ少なかれ、こういった乗り越えなければ
いけない難所があるもんだ。
これを通過儀礼として一つ大人になる。
ガンバレ!

と話をしていると、
土曜日に修介君から『明日遊ぼう』と電話があった。
さすがの息子も顔を引きつらせていたが、
イジメっ子の言う事を聞かないわけにもいかず、
遊ぶ約束をした。

翌日、案の定、
遊びに行った息子が泣きながら帰宅した。
さすがに頭にきたので一言文句言ってやろうと
思い受話器を握り締めたが思いとどまる。
とりあえず息子の話を聞くことに。

(息子)『行ったらさ、こないだと同じことされた』

くっ、クソ~.......。

(息子)『でも、オレ、思ってたコトちゃんと言ってやったよ。
     オレは今でもお前を友達だと思ってるから、
     こんなコトされた今でもまた仲良くなれたかいいなと思ってるって。
     でも、こんなコト何度もされるようならお前のコトを
     ホントに嫌いになってちゃうから、もうこんなコトするの
     止めてくれ!無視するのも止めてくれ!って』

おぉぉぉぉぉ~~。息子よ~~。お前スゲェな!!
エライ!!
たぶん、この正しいコトをキチンと言える所は、
ウチの嫁のイイトコを受け継いだのだろうな。
なかなか言えないぞ。そんなこと。オレにだって言えない。
それを言えたお前はとてもエライと思う。
でも、そんな事言っちゃったら今後イジメが
エスカレートするんじゃないか......(;´Д`)
それが心配だ.....。

でも、その心配は要らない心配だった。
その夜、修介君から電話があった。
電話口で修介君は息子にゴメンなさいと謝ったそうだ。
コレは、もちろん親に言われて電話したわけでもなく
彼が自分自身で気づいて電話してきたのだ。

息子の正直な思いはイジメっ子に届いた。

こんな奇跡のような素敵な出来事があるんだな~。
と思いつつ、岩井俊二氏の
『リリイ・シュシュのすべて』を思い出した。

アレ観た後の後味の悪いイヤ~~な感じ.....。
今回の息子の話はハッピーエンドだが、一歩間違えば......
と親心としては思ってしまうわけであります......。

-息子
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